行政と産業のDXに欠かせない
「デジタル金融」と社会実装
コロナ禍において、
↓
日本における
デジタル化の遅れ
↓
が
浮き彫りになった。
行政や企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上で、
↓
デジタル金融との連携
↓
の
視点
が
欠かせない。
NECは
デジタル金融分野への取り組みを強化するとともに、
↓
行政と産業のDXの進化を
サポートしている。
5G、Beyond
5Gの時代に向け、
↓
デジタル社会づくりに向けて
↓
着実な準備と実践を進めるNECの森田隆之副社長が
↓
DXの「現在」と「未来」について語った。
技術と
社会実装の
両面での取り組み
が
重要
日本におけるデジタル化の現状を、
どのように見ていますか。
森田 隆之氏
森田 隆之(もりた たかゆき)氏
森田隆之氏
(以下、森田)
コロナ禍を受けて、
↓
日本の行政や企業における
デジタル化の遅れが
顕在化しました。
近年、
↓
様々な組織が
DXに取り組んできましたが、
↓
金融と連携する形でのDXは
↓
これから
というのが現状。
多くの社会活動
や
ビジネス活動の背後
には、
↓
お金の流れ
があります。
行政と産業のDXには、
↓
どうデジタル金融を埋め込んでいくか、
↓
という視点が欠かせません。
物理的制約を超えて
↓
人やお金の流れをつくり出す地方創生や、
↓
グリーン社会の実現に向けて
新たな投資が求められる社会課題領域でも、
↓
デジタル金融は
大きな役割を担っています。
デジタル金融分野での、
NECの戦略をうかがいます。
森田
デジタルを活用して
↓
金融業務の変革を目指すお客様への支援は
もちろん、
↓
多様なプレーヤーが
行政や企業とつながり、
新たなサービスを創出するための
デジタルファイナンス機能の社会実装
を推進します。
また、
↓
グローバル市場における
ソフトウエア事業
にも
注力しています。
こうした
事業展開を進める上で強みとなるのが、
↓
NECが培ってきた
通信
や
セキュリティー、
生体認証、
AI、
などの
↓
コア技術群、
↓
そして
↓
欧州をはじめ
海外での
↓
M&Aで獲得したノウハウ、
つまり
テクノロジーを活用したビジネスプラクティスや社会実装の経験値です。
海外でのM&Aを通じて得た
社会実装の経験値
とは、
どのようなものですか。
森田
↓
よりよい未来をつくるには、
↓
技術だけでなく
社会実装のイノベーション(=技術革新)
も重要です。
技術革新(=イノベ)に加え、
↓
多様なプレーヤーが
ビジョンを共有した上で、
↓
データ
や
AI、
等を
活用する際の
ガバナンスの在り方、
↓
新たに生じるリスクへの
対処方法
などの
↓
変革
↓
を進めなければなりません。
そのためには、
↓
産官学
が
従来の役割を超えて
=
連携する必要もあります。
行政と産業のDX
5G、Beyond 5Gの時代に備えて
デジタル金融の進展を考える上で、
基礎的な技術インフラとなる
↓
ネットワークの進化
↓
についてお聞かせください。
森田
ネットワークの進化は
↓
金融だけでなく、
あらゆる産業に大きな影響をもたらします。
5G
及び
Beyond
5Gの時代には、
↓
従来とは桁違いの大量データが飛び交います。
大容量・高速処理を支えるICT機器は
=
不可欠。
CO2削減などの
社会的要請もあり、
↓
大幅な低消費電力化も
=
求められます。
こうした要件を満たしつつ、
↓
運用性の高い
次世代ICT機器
↓
の開発に向け、
↓
半導体を含めて
=
見直す必要があるでしょう。
↓
私たちは
↓
ハードウエアとソフトウエアの技術を結集し、
=
研究開発を進めています。
5G
と
Beyond 5G
における、
NECの取り組み
についてご説明ください。
森田
↓
世界に先駆けて
↓
完全仮想化、
オールクラウドネイティブなモバイルネットワークを構築、
=
極めて高効率の通信を
↓
実現しました。
NECは
↓
基地局やコアネットワークをはじめ
重要なインフラを
↓
提供し、
↓
このイノベーションを
↓
支えています。
同社(=弊社)は
↓
ソフトウエアベースの通信システムの海外キャリアへの
提供
↓
も
視野に入れており、
=
NECは
協力して
海外展開を
↓
検討しています。
中長期視点では
↓
NTTとのパートナーシップも
=
重要です。
NTTとの間で
↓
及び
無線技術
の
ブレイクスルー
を
目指す
=
共同研究開発
↓
が進行中。
↓
低消費電力
かつ
世界最高水準の性能を持つ
↓
小型光集積回路
(DSP)
と、
それ
を
組み込んだICT機器の開発
=
はその一例です。
両社の持つ先端技術を組み合わせて、
↓
デジタル社会の未来に必要な技術的ブレイクスルーの実現、
↓
そして
↓
グローバルなインフラ市場への展開
↓
を目指します。
データ量が
一層
増大する時代に向け、
↓
NECは
どのような技術を強化していますか。
森田
ネットワークとAI
などの
↓
強みを生かして、
↓
「無線/光通信」、
「運用自動化/最適化」、
「分散データ処理基盤」、
「セキュリティー」
を
重点技術領域として
↓
研究開発を
↓
推進しています。
NECは
↓
ネットワーク
と
IT、
データサービス
などの
↓
幅広い領域
↓
で
世界トップクラスの技術をバランスよく有する
↓
数少ない企業の一つです。
情報通信技術という
↓
従来の枠にとどまらず、
↓
ヒト・コト・モノがつながる
時代の
↓
新しい価値創造に向け、
↓
NECグループとしての統合的なアプローチ
=
を
強化しています。
技術力から顧客価値、社会価値を導く
データの重要性が高まる一方で、
セキュリティーのリスクを懸念する声もあります。
森田 隆之氏
森田 データ量の増大とともに、画像や音声を含めたデータの多様化も進んでいます。一方では、通信ネットワークにおけるオープンアーキテクチャの普及により、従来の専用機器からマルチベンダーによるフレキシブルな機器構成へのシフトが進んでいます。こうした中で、ネットワークを構成するすべての機器を対象に、エンド・ツー・エンドでの信頼性確保が求められています。そんな取り組みの一例が、2021年1月に発表したアラクサラネットワークス、シスコシステムズとの戦略的協業です。通信や鉄道、行政など重要な社会インフラのセキュリティー強化を念頭に、信頼性の高いネットワークシステム基盤の提供を目指しています。さらには、通信の究極の暗号といわれている量子暗号にも取り組んでいます。今後、データの処理は急速に増大し分散化します。それを見越した通信レイヤー技術の革新と実装に向けた活動に一層注力する方針です。
セキュリティー対策は今後、どのように進化するのでしょうか。
森田 データ処理対応する通信レイヤーのセキュリティーを確保した上で、データ活用の民主化を実現していくことが重要だと思います。そこで、データが分散した状態で機械学習処理を行う連合学習、暗号化されたデータのままで計算する秘密計算といった技術が注目されています。プライバシーを保護しつつデータの産業横断活用や公的活用を可能とするため、NECは研究開発を進めています。
行政と産業のDXにむけて、NECへの期待は大きいと思います。
森田 コア技術をはじめ、研究開発力やエンジニアリング力を、よりよいデジタル社会の構築に生かしていきたい。そのためにも、技術力から顧客価値、社会価値を導く力を一層高めていきたいと考えています。